膵臓の真実!命を支える沈黙の臓器が持つ驚異的な働き | ヨウジロウのヘルスケア講座

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膵臓の真実!命を支える沈黙の臓器が持つ驚異的な働き【東京情報大学・嵜山陽二郎博士のヘルスケア講座】

膵臓の真実!命を支える沈黙の臓器が持つ驚異的な働き
胃の裏側にひっそりと佇む「沈黙の臓器」である膵臓は、私たちの命を根底で支える極めて精巧な化学工場です。食べたものを体が吸収できる微小なサイズにまで徹底的に分解する強力な消化酵素の分泌という「外分泌機能」と、インスリンやグルカゴンといったホルモンを巧みに操り、全身の血糖値を二十四時間体制で常に一定に保つ「内分泌機能」という、生命維持に不可欠な二つの全く異なる重責をたった一つの小さな体で同時に担っています。しかし、その卓越した忍耐力ゆえに限界に達するまで悲鳴を上げることはなく、暴飲暴食や過度な飲酒、喫煙といった日々の悪習慣は確実にこの臓器を蝕み、致命的な病を引き起こします。沈黙の臓器が発する声なき声に耳を澄まし、日頃から労わりの心を持って生活習慣を見直すことこそが健康な未来への最も確実な鍵となるのです。

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目次  膵臓の真実!命を支える沈黙の臓器が持つ驚異的な働き




膵臓は私たちの体の中で非常に重要な役割を担っている不可欠な臓器ですが、その正確な位置や具体的な働きについて詳しく知っている方は意外と少ないかもしれません。膵臓は胃の裏側、背骨のすぐ前という体の非常に深い部分にひっそりと位置しており、長さは十五センチメートルから二十センチメートルほど、重さは百グラムから百二十グラム程度の、やや黄色みを帯びた細長いオタマジャクシやトウモロコシのような形をしています。解剖学的に見ると、右側の少し膨らんだ頭部は十二指腸にすっぽりとC字型に囲まれており、中央の体部を通って、左側の細くなった尾部は免疫や血液の貯蔵に関わる脾臓に接しているという、他の重要な臓器や太い血管に密接に囲まれた非常にデリケートで複雑な場所に存在しています。このように体の奥深くに位置しているため、体の外から触れることはできず、また病気になっても初期段階では痛みなどの自覚症状がほとんど現れにくいことから、肝臓と並んで「沈黙の臓器」とも呼ばれています。膵臓の内部は、細かな細胞が密集した極めて複雑な構造をしており、大きく分けて外分泌腺と内分泌腺という二つの全く異なる組織から成り立っています。外分泌腺は膵臓の全体の体積の大部分、約九十五パーセントから九十八パーセントを占めており、私たちが食べたものを消化するための強力な消化酵素を含む膵液を作り出しています。一方、内分泌腺はランゲルハンス島と呼ばれる小さな細胞の集まりで、百万人から二百万人もの島が膵臓全体に無数に海のように散らばっており、血糖値を調節するための重要なホルモンを直接血液中に分泌しています。このように、膵臓はたった一つの小さな臓器でありながら、消化管としての役割と内分泌器官としての役割という、生命維持に不可欠な二つの全く異なる機能を同時に遂行するための、非常に精巧で複雑な化学工場のような役割を果たしているのです。私たちの体が毎日食べたものから栄養をしっかりと吸収し、それをエネルギーとして効率よく利用し、健康な状態を保ち続けることができるのは、この小さな膵臓が私たちの意識の及ばないところで昼夜を問わず文句も言わずに働き続けてくれているおかげなのです。膵臓の構造と位置の特異性を知ることは、私たちの体がどのようにして奇跡的なバランスで健康を維持しているのかを深く理解する第一歩となります。


膵臓の主要な働きの第一は、食べたものを体が腸から吸収できる微小な形にまで徹底的に分解するための「外分泌機能」です。私たちが食事をとると、食べ物は口で咀嚼されて唾液と混ざり、胃に運ばれて胃酸や胃液の働きでドロドロの粥状の状態にまで消化されますが、これだけではまだ分子が大きすぎて小腸で栄養素として体内に吸収することはできません。そこで決定的な役割を果たすのが、膵臓から分泌される「膵液」です。膵臓は一日に約一リットルから一・五リットル、多い時で二リットル近くもの大量の無色透明な膵液を作り出し、主膵管と呼ばれる細い管を通って、総胆管と合流した後に十二指腸のファーター乳頭と呼ばれる出口から腸内へと送り込んでいます。この膵液の中には、私たちが生きるために必要な三大栄養素である糖質、タンパク質、脂質を分解するための強力な消化酵素がすべて網羅されて含まれているという、人体の中でも非常に稀有で驚くべき特徴があります。具体的には、ご飯やパンなどのデンプンといった糖質を麦芽糖やブドウ糖に分解する「アミラーゼ」、肉や魚、大豆などの複雑なタンパク質をペプチドや最終的にアミノ酸にまで分解する「トリプシン」や「キモトリプシン」、そしてバターや油などの脂質を脂肪酸とグリセリンに分解する「リパーゼ」といった多種多様な酵素が豊富に含まれています。特に脂質の消化に関しては、この膵臓から分泌されるリパーゼがほぼ単独でその重責を担っているため、膵臓の働きが低下したり病気によって機能が損なわれたりすると、脂肪の消化吸収がたちまちうまく行えなくなり、栄養不良による急激な体重減少や、脂肪がそのまま便として排出される脂肪便、ひどい下痢などの深刻な問題を引き起こすことになります。また、胃から十二指腸に送られてくる消化物は胃酸の影響で強い酸性を示していますが、膵液には重炭酸イオンというアルカリ性の物質がたっぷりと含まれており、この強力な胃酸を速やかに中和して腸のデリケートな粘膜が胃酸によって溶かされたり傷ついたりするのを防ぎ、同時に腸内の消化酵素が最も働きやすい最適な環境を整えるという、非常に重要かつ巧妙な役割も同時に果たしています。もし膵液が正常に分泌されなければ、私たちはどれだけ栄養価の高い高価な食事をとっても、それを体の中に取り込むことができず、たちまち生命活動を維持することが困難になってしまいます。このように、膵臓の外分泌機能は、私たちが生きていくための根本的なエネルギー源を確保し、体の組織を作り上げるための材料を提供するための、まさに最前線の総合消化工場としての役割を力強く、そして静かに担い続けているのです。


膵臓のもう一つの極めて重要で、私たちの生命線とも言える働きが、血液中に含まれる糖分の量、すなわち血糖値を常に一定の適切な範囲に保つための「内分泌機能」です。この緻密な役割を担っているのは、広大な膵臓の組織の中に小さな島のように点在している「ランゲルハンス島」と呼ばれる特殊な内分泌細胞の集まりです。ランゲルハンス島には主に三種類の異なる細胞が存在しており、それぞれが全く異なる役割を持つ重要なホルモンを、導管を通さずに毛細血管を通じて直接血液中に分泌しています。その中で最もよく知られており、かつ生命維持に絶対的に不可欠なのが、全体の約七割を占めるベータ細胞から分泌される「インスリン」というホルモンです。インスリンは、食事をとることで血液中に急激に増えたブドウ糖を全身の筋肉や脂肪組織の細胞内に取り込ませて活動のためのエネルギーとして使わせたり、余ったブドウ糖をグリコーゲンという貯蔵用の物質に変換して肝臓や筋肉に蓄えさせたりすることで、人間の体内で唯一、血糖値を下げる働きを持つ非常に強力で重要なホルモンです。もしインスリンの分泌量が不足したり、分泌されていてもその働きが悪くなったりすると、血液中にブドウ糖が溢れたままの過剰な状態が慢性的に続くことになり、血管を傷つけ全身に様々な合併症を引き起こす「糖尿病」という恐ろしい病気を発症してしまいます。一方、全体の約二割を占めるアルファ細胞からは「グルカゴン」というホルモンが分泌されます。グルカゴンはインスリンとは全く逆の働きをしており、睡眠中や空腹時、あるいは激しい運動時など、血液中の糖分が消費されて血糖値が危険な水準まで下がってしまった時に直ちに分泌され、肝臓に蓄えられたグリコーゲンを再びブドウ糖に分解させて血液中に放出させることで血糖値を上昇させ、脳や全身の臓器に安定したエネルギーを途切れることなく供給し続けるという命綱の役割を担っています。さらに、残りの数パーセントを占めるデルタ細胞からは「ソマトスタチン」というホルモンが分泌され、これが周囲の状況に応じてインスリンとグルカゴンの両方の過剰な分泌を抑制し、絶妙なバランスで調節することで、血糖値の急激な乱高下を防ぐという見事な調整役を果たしています。このように膵臓は、相反する働きを持つ複数のホルモンを状況に応じて巧みに操ることで、私たちの体のエネルギー状態を二十四時間体制で常に監視し、生命維持に最適な体内環境を維持するという、驚くべき高精度な自動制御システムをその小さな体の中に内蔵しているのです。


これほどまでに高度で重要な役割を担っている膵臓ですが、私たちの何気ない日々の好ましくない生活習慣の積み重ねによって知らず知らずのうちに大きな負担がかかり、ある日突然、取り返しのつかない様々な恐ろしい病気を引き起こす危険性を常に孕んでいます。膵臓に最も深刻なダメージを与える直接的な要因の一つが、長期間にわたる過度なアルコールの摂取です。大量のお酒を長年飲み続けると、膵液の中に含まれるタンパク質の濃度が高まってドロドロになり固まりやすくなり、それが結石となって膵管という膵液の細い通り道を完全に塞いでしまうことがあります。すると、行き場を失った強力な消化酵素が自分自身である膵臓の組織を消化し始めてしまい、みぞおちから背中にかけての七転八倒するほどの激しい痛みや吐き気、発熱を伴う「急性膵炎」を引き起こします。重症化すると命に関わることも決して珍しくありません。さらにこれが治りきらずに慢性化して「慢性膵炎」という状態になると、膵臓の正常な細胞が徐々に破壊されて硬く線維化し、萎縮してしまい、食べ物を消化する外分泌機能や血糖値を調節する内分泌機能が永久に失われてしまうという非常に恐ろしい、そして現代の医学でも元に戻すことのできない事態に陥ります。また、肉類や揚げ物など脂肪分の多い欧米型の食事の摂りすぎ、それに伴う肥満、そして百害あって一利なしと言われる喫煙なども、膵臓の細胞に強い酸化ストレスを与え、機能低下や炎症を招く極めて大きな原因となります。さらに、膵臓に関連する病気の中で最も恐ろしく、世界中で恐れられているのが「膵臓がん」です。前述の通り膵臓は体の深部に位置しているため、がん細胞が発生して増殖し始めても初期段階では痛みを伴うこともなく、また一般的な健康診断の検査などでも胃や腸のガスが邪魔をして異常が見つかりにくいため、黄疸や背中の痛みなどの明確な症状が現れて発見された時には、すでに周囲の太い血管や肝臓などの他の臓器に転移しており、手術すらできない手遅れの状態になっているケースが非常に多いという極めて残酷な特徴を持っています。そのため、膵臓がんはあらゆる部位のがんの中でも特に五年生存率が低く、非常に予後が悪いことで知られています。このような悲劇を防ぎ、この大切な臓器を守るためには、日頃からお酒の飲みすぎに十分注意して休肝日を設け、脂肪分を控えたバランスの良い食事を心がけ、適度な運動によって内臓脂肪を減らして適正な体重を維持し、そして絶対に禁煙を実行することが何よりも重要になってきます。私たちの毎日の小さな生活習慣の選択の積み重ねが、沈黙の臓器である膵臓の運命を大きく左右し、ひいては私たち自身の未来の健康を決定づけているという厳粛な事実を、私たちは決して忘れてはならないのです。


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